アートいくつか駆け足で。
** Summer Exhibition 2013 @ Royal Academy of Arts 10 Jun — 18 Aug 2013 245年前から続く、王立美術館主催の一般公募アート作品展。日本で言えば日展のような位置づけか。 平面、立体、建築モデル、写真、ビデオ、織物などジャンルを問わないアートが1000点以上所狭しと展示されている。全て購入可能。 毎年訪れる夏の風物イベント。 私は金曜の夜(夜10時まで開館)に出掛けことにしている。静かで、特別に展示場内にドリンクバーも出ている。シャンペンをグラスですすりつつ鑑賞し、最後に「もし家に一点お持ち帰り出来るのであれば」、という設定でその一点を選んでじっくり見て去るというのが毎年の慣わしだ。 その後は、そこから歩いて5分ほどのところにある、和食「吉野」でお鮨を堪能する。 ** The Bride and the Bachelors Marcel Duchamp with Cage, Cunningham, Rauschenberg and Johns @ Barbican 14 Feb — 9 Jun 2013 Marcel Duchampと彼に影響を受け、彼とつるんだその仲間たちの回顧展。 彼の作品は、わからない、というのが半端ではない。 わからないけれど、それがアートを鑑賞しているという行為なんだと(強引に?)思わせるマジックがある。 私は、クロッキーで書きなぐったようなチェスをする人たちのスケッチ、「チェスプレイヤー」シリーズが好きだ。彼にしては超コンサバな平面の作品だが。 後は、Cageの、ひもをインクに浸してはらりと落としただけの作品 (「Strings」)が特に好きだった。それは、Chance(可能性、偶然、たまたま)というテーマで集められた部屋に展示してあるものだった。 ** Gaze is a Gap is a Ghost by Daniel Lihnehan @ Lilian Baylis Studio (Sadler's Wellsに隣接) 21-22 May 2013 コンテンポラリーダンス。 3人のダンサーのうちの一人の目に見えている内容がスクリーンに映し出される。その目線が(3人のうちで)次々と変わっていく。 観客がうまく騙される。あれ?今誰の目線だっけ? はらはら感、不穏感に満たされた一時間だった。 何度も、ああ、こうか、と理解したところ、また、あれ??そうじゃないの?と崩されることの繰り返し。 今まで経験したことのない物事を理解するとき、そのアプローチには、くせ、というかいくつかの定型のパターンが自分にはあるな、と思った。そのパターンに基づいて目の前の状況すべてを見ようとするのではなく、セレクトして脳内にインプットし、心のスクリーンに現実として構築して、状況を理解しようとしているらしい。。。。。 ** What Can Art Do? Case 2- Documenting Tohoku Talk with Hikaru Fujii and The Otolith Group @ Japan Foundation 9 May 2013 芸術はどのように人を癒すか、助けられるか。 東北の原発事故の被害を受けたある村を映像作家藤井光と、アーティストグループ Otolith Groupがドキュメンタリーに取った。2つの作品をケーススタディーにしてのトークショー。 出演者であるその共同体員である村民たちを、第一の観客として設定し作品を作ることによって、アートが人の心やその共同体のために出来ることが更に深くなり、そのポテンシャルが更に大きくなる、という藤井の姿勢に賛同。 #
by asa-at-hako
| 2013-07-25 22:17
| ロンドンアート備忘録
コンテンポラリーダンス 『Desh』
by Akram Khan Company @ Sadler's Wells 11-15 Jun 2013 Akram Khanは2012のロンドンオリンピックのオープニングセレモニーでも登場したイギリスを代表するコンテンポラリーダンサーだ。 いつも彼の名を冠したカンパニーを率いて、ライブミュージックやダンサーではないアーティストとのコラボレーションや対話、劇の要素を取り入れたものなどにトライして私たちを魅了しているが、今回は一人。いろんなダンサーとのフォーメーションの美しさはない。でもとても力強い、そしてパーソナルなものだ。 題名からしてとてもパーソナルで、「Desh」。それは彼の母国のひとつバングラデッシュのことである(もう一つの母国は出生国であるイギリス。彼の両親はバングラ系の移民で、彼のダンスのルーツはインドの古典舞踏、Kathakであるとのこと。Wikiより)。 紡がれる物語というものを堪能した90分だった。 詩、言葉遊び、影絵、迷信、フォークテール、モノトーン、一人芝居。誰との対話なのか。 寝室で始まり、紡がれ、広がり、更に紡がれ、息を詰めて行方を追う。その後しぼんでゆく物語は、どこか幻想的でありその反面有機的な生々しい。彼の身体の動きが有機的なものを感じさせるのだろう。評価の高い彼のダンスのクオリティーの高さ、スムーズさ、激しさは、私たちをすごい・・・と圧倒的に感動させる一方で、どこかで私たち観客の身体と繋がっているような、彼の身体全体で表現されるものは、私たちの心臓の鼓動であり、悲しさであり、困惑であり、喜びであり、血液の流れであるような気がするのだ。 身体を動かすというのは、心を動かすということであって、心を動かすということはすごく美しいことだなと思った。 #
by asa-at-hako
| 2013-06-23 22:18
| ロンドンアート備忘録
私は、天日(または天火で)干されたサンドライドトマト-Sun Dried Tomato-が大好きなのですが、このレシピは、それと生のトマトの中間みたいなものです。
サンドライトマトとはまた違って、あそこまで味が凝縮されているわけでもないのですが、それでいて端っこの焼けて乾いた部分にはトマト独特の甘みが集中して、中心は適度に生感も残っておりあっさりとしていて美味しい。 材料: トマトこぶし大くらいのものいくつか。 エキストラバージンオリーブオイル アンチョビ適当 作り方: 1: トマトは水平に半分に切る。切り口を上にしてバットに並べる。 2: オリーブオイルをたらーとまわしかける。 3: オーブンの温度は130-140度くらいで5-6時間くらい焼く。 (そんなに長く続けて家に居ないというときは、家に居る間はオーブンをオンにして、外出するときはトマトをオーブンに入れたままオフにして、帰宅するとまたオンにしての繰り返しをしました。) 4: 時々バットに水を入れてバットが焦げないようにする。 5: トマトの上表面と端が焦げて乾いてきたらアンチョビを刻んだものを少しの水と合わせてバットに流し込み更に一時間くらい焼く。出来上がり。 パン、パスタ、クスクスと合わせました。バットに溜まったアンチョビ、オイル、トマトの汁が合わさったものもすごく美味しい。残さずパンなどに吸い取って食べます。粗引きコショウと一緒に。 軽いタイプの赤ワインやロゼに合いますな。 #
by asa-at-hako
| 2013-06-23 18:37
| ごはん
The Other Art Fair (4月25-28日)
@ Ambika P3, University of Westminster, 35 Marylebone Road, London, NW1 5LS, UK http://www.theotherartfair.com/ アートディーラーを仲介しないで、アーティスト自身がブースを持ち絵を売る。エージェントとして専属ディーラーを持たない(または有名になっていないのでまだ持てない)アーティストのみが参加のアートフェアも今年で3年目。全て販売しており、値段も作品の横に明確に表示。 大変な熱気である。で、家族連れも多い。真剣に絵を選んでいる子供。キッズコーナーもあり、汚れなんかも気にしないで一杯絵を描いたり塗りつぶしたりしながら歓声を上げる子供たち。 バーもあり、ジントニックをすすりながら、新鋭アーティストとアート談義をするお客たち。 私が一番気に入った作家は、Ben Gooding。 http://www.theotherartfair.com/projects/ben-gooding/ キャンパスの表面はシルバーで覆われている。それを引っかいて矢絣の模様(すごく細かくいくつも重なっている矢絣)になっている。 ウェブ上の作品は別のシリーズで、うねった線がいくつも連なっている。それだけだ。このシリーズも大好きだ。 ある作品は、大木が多い茂るジャングルを下から見上げた感じがする。 このシリーズの別のうねった作品を見たときは、真夜中停電になったニューヨークのマンハッタンの街を歩いたらこんな感じだろうか、と思いをはせた。 シンプルで同じ線の繰り返しなんだけど、じーっと見ていると3次元の厚みがでてくる。 白やグレイの壁だったらとても合うと思う。目線と同じくらいにかけて。それより高い位置だとこの感じは出ないと思う。床の間に飾ったらすごくたたずまいがきれいだろうな。ただ、サイズが大きすぎるか(61-66 cm四方がメインのサイズらしい)。30センチ四方くらいがいいか。ダイナミックさは少しかけるか。でも小ジャングル間は十分味わえるのでは? あ、わが家に床の間は無い。 文字をアートにしている作家が思ったより少ない。ニュージーランドでは結構居たな。文字は文学の範疇にいれてしまってるのかな? #
by asa-at-hako
| 2013-05-02 05:30
| ロンドンアート備忘録
ロンドンにオールドケントロード(Old Kent Road)という道がある。ロンドンブリッジに程近い場所からずっと南西に伸びている通りだ。 この道は中世のころからイギリスの聖地カンタベリーへ向かう人たちが歩いた、巡礼の道だ(今は見る影もなく、片道2斜線ある大きな道路で、マクドナルドドライブスルーとかケンタッキーとかの看板がひしめく)。 そういうところは全部飛ばして今回は電車で一気に南西へ。 カンタベリーまであと、数十キロというところで電車を降りる。電車に乗せて一緒に来た自転車で、巡礼の道を走る。 道は舗装されておらず、標識も、 『 Pilgrim Way 』 (巡礼者の道) としかない。 私たちと道と、畑が続く。 時々パブがある。13世紀から建ってます、とかいう小さな標識付。 時々林を抜ける。 ここを人々は歩いたのか。 この木は14世紀にはあったかしら。ここを毎日何人の人が通り過ぎたのかしら。通り過ぎたとき、お腹は空いていたのかしら。家族のことを考えて心細くなっていなかったかしら。 巡礼者たちの四方山話を収集してあるカンタベリー物語、大学のとき、ちゃんと読んどけばよかったかなあ。 #
by asa-at-hako
| 2013-05-01 05:55
| 街 - ヨーロッパ編
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