人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Desh by Akram Khan Company

コンテンポラリーダンス 『Desh』
by Akram Khan Company

@ Sadler's Wells

11-15 Jun 2013

Akram Khanは2012のロンドンオリンピックのオープニングセレモニーでも登場したイギリスを代表するコンテンポラリーダンサーだ。
いつも彼の名を冠したカンパニーを率いて、ライブミュージックやダンサーではないアーティストとのコラボレーションや対話、劇の要素を取り入れたものなどにトライして私たちを魅了しているが、今回は一人。いろんなダンサーとのフォーメーションの美しさはない。でもとても力強い、そしてパーソナルなものだ。

題名からしてとてもパーソナルで、「Desh」。それは彼の母国のひとつバングラデッシュのことである(もう一つの母国は出生国であるイギリス。彼の両親はバングラ系の移民で、彼のダンスのルーツはインドの古典舞踏、Kathakであるとのこと。Wikiより)。

紡がれる物語というものを堪能した90分だった。

詩、言葉遊び、影絵、迷信、フォークテール、モノトーン、一人芝居。誰との対話なのか。
寝室で始まり、紡がれ、広がり、更に紡がれ、息を詰めて行方を追う。その後しぼんでゆく物語は、どこか幻想的でありその反面有機的な生々しい。彼の身体の動きが有機的なものを感じさせるのだろう。評価の高い彼のダンスのクオリティーの高さ、スムーズさ、激しさは、私たちをすごい・・・と圧倒的に感動させる一方で、どこかで私たち観客の身体と繋がっているような、彼の身体全体で表現されるものは、私たちの心臓の鼓動であり、悲しさであり、困惑であり、喜びであり、血液の流れであるような気がするのだ。

身体を動かすというのは、心を動かすということであって、心を動かすということはすごく美しいことだなと思った。
by asa-at-hako | 2013-06-23 22:18 | ロンドンアート備忘録
<< アートいろいろ Slow Roasted To... >>